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名古屋高等裁判所 昭和48年(ウ)86号 決定 1974年5月20日

申立人 池田守雄

<ほか一二三名>

右代理人 北村利弥

同 角尾隆信

主文

一  別紙目録(一)記載の申立人らのうち、別紙目録(二)記載の申立人らを除くその余の申立人らに対し、いずれも民事訴訟費用等に関する法律第三条による手数料の納付について、訴訟上の救助を付与する。

二  別紙目録(二)記載の申立人らの本件各申立を却下する。

理由

一  申立人らの本件訴訟救助の申立の趣旨及び理由は、別紙添付のとおりである。

二  当裁判所の判断

(一)  まず、申立人森下信也については、本件疎明資料により同申立人はすでに死亡したことが認められるので、同申立人の本件申立は、その余の点を判断するまでもなく、不適法として却下する。

(二)  次に、申立人森山信也を除くその余の申立人らについては、本件疎明資料によれば、本案訴訟について勝訴の見込みがないとはいえないものであることが認められる。

そこで、右申立人らが「訴訟費用を支払う資力がない者」にあたるといえるか否かにつき検討するに、右にいう「訴訟費用を支払う資力がない者」とは、「訴訟費用を支払うときは自己とその家族の生活に困窮をきたす者」と解されるので、当裁判所は、本件においては、(イ)申立人とその生計を共にする家族またはこれに準ずる者の数の合計が三名以上と認められる場合は、申立人の年収が三〇〇万円、(ロ)同様に申立人とその家族らの数の合計が二名と認められる場合は、申立人の年収が二〇〇万円、(ハ)申立人が独立の生計を営んでいると認められる場合は、申立人の年収が一〇〇万円、をそれぞれ越えているか否かを一応の基準として、右要件の存否を考えるのが相当であると思料する。しかして、

(1)  別紙目録(一)記載の申立人らのうち、別紙目録(二)記載の申立人らを除くその余の申立人らは、本件疎明資料により、無収入の者または収入があっても右基準の年収額を越えていない者あるいは若干越えてはいるが生活事情及び支出を要すると認められる訴訟費用額等より見て前者と同等に取り扱うのが相当と考えられる者であるが、これらの申立人もなお全く「訴訟費用を支払う資力がない者」とは認め難いので、訴訟救助を部分的に与えるのを相当と思料し、右申立人らについては、民事訴訟費用等に関する法律第三条による手数料の納付に限定して訴訟上の救助を付与することとする。

(2)  別紙目録(二)の(1)欄記載の申立人森下信也を除くその余の申立人らについては、いずれも疎明資料がない。また、同目録(2)欄記載の申立人らについては、本件疎明資料によれば右基準額を越えていることが認められ、他に考慮すべき特段の事情も窺われないので、「訴訟費用を支払う資力がない者」にあたるとは認められない。したがって、右申立人らの本件各申立は却下することとする。

(三)  よって、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 西川豊長 裁判官 土井俊文 寺本栄一)

<以下省略>

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